シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―
11.普通の女の子
昼休み。
「梨来さん」
「ん?」
「最近、直充先輩とよく一緒にいません?」
口元まで運んでいたカップが止まった。
「直充くん?」
「はい」
向かいに座る希美が、じっと梨来を見ている。
今日は事務室近くの休憩スペースで昼食を取っていた。
希美はコンビニのサンドイッチ。
梨来は小さな弁当。
さっきまで授業の話をしていたはずなのに、いつの間にか直充の話になっていた。
「そんなに一緒にいる?」
「いますよ。この前、学食一緒にいたし」
「うん」
「猫も一緒に探してたし」
「うん」
「昨日も一緒に帰ってましたよね?」
梨来の手が止まる。
「……見てたんだ」
「見たっていうか、見えました。正門の近くで」
「そっか」
「で?」
「で?」
「昨日、何してたんですか?」
「一緒に帰ったよ」
「それは知ってます」
「途中でコンビニにも寄った」
「ほら!」
「何が?」
「寄り道してるじゃないですか!」
「うん」
「二人で!」
「そうだね」
「何買ったんです?」
「飲み物と、チョコ」
「チョコ!?」
思った以上に大きな声だった。
近くの学生がちらりとこちらを見る。
「希美ちゃん、声」
「あ、すみません」
希美は慌てて身を縮めた。
けれど、目だけは輝いたままだった。
「チョコ、一緒に買ったんですか?」
「一個だけ」
「一個!?」
「また大きいよ」
「それで?」
「一緒に食べたよ」
「…………」
「何、その顔」
希美は両手で口元を覆った。
「それ、デートです」
「デートになるの?」
「なりますよ!」
梨来は少し考える。
「私はただ、一緒に帰って寄り道しただけだと思ってた」
「それをデートって言うんです!」
「二人で出かける約束をしたわけでもないよ?」
「帰り道でもデートはデートです!」
「そういうものなんだ」
「梨来さん……」
「デートの意味は分かってるよ」
「じゃあなんで!?」
梨来は少し笑った。
「自分がしてたとは思ってなかっただけ」
「そこです!」
「希美ちゃん、さっきから忙しいね」
「梨来さんのせいです!」
「私は昨日の話をしただけだよ」
「その昨日がすごいんですって!」
「梨来さん」
「ん?」
「最近、直充先輩とよく一緒にいません?」
口元まで運んでいたカップが止まった。
「直充くん?」
「はい」
向かいに座る希美が、じっと梨来を見ている。
今日は事務室近くの休憩スペースで昼食を取っていた。
希美はコンビニのサンドイッチ。
梨来は小さな弁当。
さっきまで授業の話をしていたはずなのに、いつの間にか直充の話になっていた。
「そんなに一緒にいる?」
「いますよ。この前、学食一緒にいたし」
「うん」
「猫も一緒に探してたし」
「うん」
「昨日も一緒に帰ってましたよね?」
梨来の手が止まる。
「……見てたんだ」
「見たっていうか、見えました。正門の近くで」
「そっか」
「で?」
「で?」
「昨日、何してたんですか?」
「一緒に帰ったよ」
「それは知ってます」
「途中でコンビニにも寄った」
「ほら!」
「何が?」
「寄り道してるじゃないですか!」
「うん」
「二人で!」
「そうだね」
「何買ったんです?」
「飲み物と、チョコ」
「チョコ!?」
思った以上に大きな声だった。
近くの学生がちらりとこちらを見る。
「希美ちゃん、声」
「あ、すみません」
希美は慌てて身を縮めた。
けれど、目だけは輝いたままだった。
「チョコ、一緒に買ったんですか?」
「一個だけ」
「一個!?」
「また大きいよ」
「それで?」
「一緒に食べたよ」
「…………」
「何、その顔」
希美は両手で口元を覆った。
「それ、デートです」
「デートになるの?」
「なりますよ!」
梨来は少し考える。
「私はただ、一緒に帰って寄り道しただけだと思ってた」
「それをデートって言うんです!」
「二人で出かける約束をしたわけでもないよ?」
「帰り道でもデートはデートです!」
「そういうものなんだ」
「梨来さん……」
「デートの意味は分かってるよ」
「じゃあなんで!?」
梨来は少し笑った。
「自分がしてたとは思ってなかっただけ」
「そこです!」
「希美ちゃん、さっきから忙しいね」
「梨来さんのせいです!」
「私は昨日の話をしただけだよ」
「その昨日がすごいんですって!」