シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―
「すみません」

 カウンターへ戻り、声を潜める。

 職員が顔を上げた。

「時間なので、今日はここまででもいいですか」

「ああ、もちろん。十分助かったよ」

「まだ残ってますけど」

「大丈夫。ありがとう」

「すみません」

「いやいや。こっちが頼んだんだから」

 直充は軽く頭を下げる。

「失礼します」

 鞄を肩へ掛け。

 図書館を出る。

 廊下へ出たところで。

 もう一度、腕時計を見る。

 五時二十八分。

「……まずい」

 足が速くなった。
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