シークレット―世界は守れますが、恋の仕方はわかりません―

13.資料室で鉢合わせ

 翌日。

 午後の講義が終わり、直充は教室を出た。

 廊下には、次の講義へ向かう学生や、友人と話しながら歩く学生、階段を下りていく学生がいる。

 その間を抜けながら、鞄へ手を添えた。

 中には、昨日見つけた日誌が入っている。

「…………」

 六月二十六日。

 ――もう一度――

 そこで何枚かのページが抜け落ちていた。

 時計について、もう一度何かを試そうとした。その直後に何があったのかは分からない。

「…………」

 そして直充の鞄には、もう一つ。

 金色の懐中時計。

 古い資料室で見つけたものだ。

 日誌に書かれていた時計が、これと同じものなのか。まだ断定はできない。

 ただ、似ている。

 あまりにも。

「…………」

 直充は足を止めた。

 廊下の先には、普段ほとんど使わない階段がある。その向こうに古い資料室があった。

 時計を見つけた場所。

「…………」

 昨日、考えた。

 欠けたページがあそこにあるとは限らない。

 そもそも、日誌に書かれていた『倉庫』が、あの資料室だったのかも分からない。

 けれど、何も手掛かりがないなら。

 探す場所は、そこしかなかった。

 直充は階段へ向かった。
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