マッチングした相手は片想いの社長でした
第5話
「俺が弱いところを見せても、君は笑わなかった。否定もしなかった。ただ隣に来てくれた」
「春樹さん……」
「それに」
春樹さんが少し困ったように笑った。
「昨夜、あんなふうに抱きしめられて、今さら何もなかったことになんてできるわけないだろ」
また涙がこぼれた。
今度は悲しい涙じゃない。
「私……期待してもいいんですか?」
「ああ」
春樹さんの額が私の額に触れる。
「むしろ覚悟して」
「覚悟?」
「俺は、一度欲しいと思ったものを簡単に手放せるほど物分かりがよくない」
昨日まで遠い存在だった人が、こんなにも近くで笑っている。
私は泣きながら笑った。
「それ、社長としてどうなんですか?」
「今は社長じゃない」
春樹さんの腕が私の身体を引き寄せる。
「那奈の前では、ただの春樹でいたい」
胸の奥にずっと閉じ込めていた想いが、溢れてしまいそうだった。
私は春樹さんの胸に顔を埋める。
もう少しだけ。
この人の言葉を信じてみたい。
一晩で終わるはずだった恋。
でも朝になっても、春樹さんの腕は私を離さなかった。
むしろ昨夜より強く、私を抱きしめていた。
「春樹さん……」
「それに」
春樹さんが少し困ったように笑った。
「昨夜、あんなふうに抱きしめられて、今さら何もなかったことになんてできるわけないだろ」
また涙がこぼれた。
今度は悲しい涙じゃない。
「私……期待してもいいんですか?」
「ああ」
春樹さんの額が私の額に触れる。
「むしろ覚悟して」
「覚悟?」
「俺は、一度欲しいと思ったものを簡単に手放せるほど物分かりがよくない」
昨日まで遠い存在だった人が、こんなにも近くで笑っている。
私は泣きながら笑った。
「それ、社長としてどうなんですか?」
「今は社長じゃない」
春樹さんの腕が私の身体を引き寄せる。
「那奈の前では、ただの春樹でいたい」
胸の奥にずっと閉じ込めていた想いが、溢れてしまいそうだった。
私は春樹さんの胸に顔を埋める。
もう少しだけ。
この人の言葉を信じてみたい。
一晩で終わるはずだった恋。
でも朝になっても、春樹さんの腕は私を離さなかった。
むしろ昨夜より強く、私を抱きしめていた。


