先輩の愛に溺れる。
ルシアンは振り返り、セレナの頬にそっと触れる。

「大丈夫か」

その手のぬくもりに、張りつめていた心が一気にほどけた。

「……はい」

小さく答えると、ルシアンの表情が少しだけやわらぐ。
けれどすぐにレオネルへ視線を戻した。

「この子の秘密に興味があるなら、なおさら近づかないでほしい」

「なぜです」

「決まってる」

ルシアンは一歩も引かずに言った。

「知られれば狙われる。利用しようとする者も出る。だから俺は隠してきた」

その言葉に、セレナは目を見開く。
守ると言ってくれた意味の重さを、今さら思い知る。
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