先輩の愛に溺れる。
その体を、ルシアンがすぐ抱きとめる。

「無茶するな」

「ご、ごめんなさい……」

「怒ってない。ただ心配した」

ルシアンはそう言って、苦しいほど優しい顔をした。

「もう二度と、ひとりで抱え込むな」

セレナは彼の胸元をぎゅっとつかむ。

「先輩が、そばにいてくれるなら……」

「いるに決まってる」

即答だった。

ルシアンはセレナの額に、そっとくちづけた。

「これでわかっただろ。俺はお前を手放す気がない」

顔が熱くなる。
けれど嫌じゃなかった。むしろ胸の奥が、甘く満たされていく。

「返事、聞かせて」

セレナは小さくうなずいて、それから勇気を出して言った。

「私も、先輩が好きです」

その瞬間、ルシアンは心底うれしそうに笑った。
普段は余裕ばかりの彼が、少しだけ子どもみたいな顔をする。

「やっと言った」

「もう……いじわるです」

「好きな子には仕方ない」

そう言って、彼はセレナを抱きしめた。
逃がさないように、それでいて壊れものを扱うみたいに大切に。
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