極上シークレットマタニティ~黒川家がまだ知らない、たったひとりの跡継ぎ~
「現地のレセプションも多かったんだろう」
お義父様から訊かれた創史さんは、ナプキンを整えながら「ああ」と応える。
「財団関係と大学側の晩餐会が続いていた。想像以上に顔を出す場は多かったかと」
「向こうの反応は?」
「悪くないです。特に再生医療部門への関心は高かったかと」
息子と孫のやり取りを静かに聞いていたお祖父様が「そうか」と静かに頷く。
「それだけお忙しかったら、お食事も不規則だったでしょう?」
黙って話を聞きながら焼き物に取りかかっていたお義母様が創史さんを見る。
「まあ、そうだな」
創史さんは、ナイフで切った甘鯛にソースをつけ口に運んだ。小さく「うん」と頷いた様子は、味を気に入ってくれたようだ。
「だから、今日は助かった。胃が落ち着く」
再び料理についての評価を受けてホッとする。
口に運んだひと口は鯛の鱗がカリッと香ばしく焼き上がっていて、味はもちろん食感まで楽しめた。