極上シークレットマタニティ~黒川家がまだ知らない、たったひとりの跡継ぎ~
しばらくの期間を経て会うことが叶ったのは、俺が高校二年、美莉が中学一年生のとき。
久しぶりに会った美莉は幼い頃の面影を残しながらも、大人の女性へと成長を始めた美しさも備え、気軽に声をかけることを一瞬戸惑った。
それでも数年ぶりの再会に思い切って声をかけると、美莉は変わらぬ姿で応じてくれた。
会わなかった時間を埋めるように話に花が咲き、このときを心待ちにしていたんだと実感した。
この頃から、両親には美莉を特別気に入っていると主張していたし、いずれ身を固めるときがくれば相手は美莉がいいとも伝えていた。
美莉は、黒川という籠の中にいる俺にとって救いであり、必要であり、この先ずっと愛すべき人なのだ。
しかし、黒川の次期当主として、没落した桜庭家の娘である美莉と婚姻を結ぶのは反対の声が多かった。
それでも結婚をするのは美莉しか考えられないと抗い、周囲の反対を制して彼女を娶った。
だからこそ、結婚直後の渡米にも応じる必要があったのだ。それでもやはり、新婚早々に離れるのは酷だった。
もちろん、一緒に行こうと提案した。
でも、美莉のほうから日本に残り、黒川の家を守ると申し出てきたのだ。
両親や妹もそれに賛成し、美莉は日本に残ることになった。