一夜限りの恋だったはずなのに、最強総長は息子ごと私を離してくれない。
「だから、安心して大きくなってね」
「……すぅ……」
いつの間にか、夏樹は眠っていた。
「寝ちゃった……」
小さな寝息。
その姿を見つめながら、私は静かに笑う。
この子が笑ってくれるなら。
この子が幸せでいてくれるなら。
それだけでいい。
「夏樹は、ママの宝物だよ」
窓から差し込む柔らかな光の中で、私は小さな身体を抱きしめた。
――このときの私は、本気でそう思っていた。
この子と二人なら、それだけで幸せになれる。
あの人には、もう会わない。
二度と――。
そう信じていた。