一夜限りの恋だったはずなのに、最強総長は息子ごと私を離してくれない。
「……っ、ふ……!」
次の瞬間。
小さな産声が、部屋いっぱいに響いた。
「――おめでとうございます!」
「……え……?」
何が起きたのか、すぐには理解できなかった。
ただ。
「元気な男の子ですよ」
その言葉だけが、はっきり耳に届いた。
「……男の子……?」
「はい」
助産師さんが、泣いている小さな赤ちゃんを見せてくれる。
「……っ」
胸がいっぱいになって、言葉が出てこない。
こんなに小さい。
それなのに。
この子は、私の中でちゃんと生きていた。
「抱いてみますか?」
「……はい」
震える腕で受け取る。
腕の中に収まった小さな身体。
赤くなった頬。
ぎゅっと握られた小さな手。