一夜限りの恋だったはずなのに、最強総長は息子ごと私を離してくれない。
「……かわいい……」
涙が頬を伝った。
「……頑張ったね」
そっと頬に触れる。
「生まれてきてくれて、ありがとう……」
小さな指が、私の指に触れた。
その瞬間。
「……っ」
涙が止まらなくなった。
この子には、父親がいない。
私が自分で決めたことだった。
あの人には、何も告げない。
もう二度と会わない。
それでも。
「大丈夫だからね」
私は小さな手を包み込む。
「ママが、ずっとそばにいるから」
誰にも頼らない。
私ひとりでも、この子を幸せにする。
「あなたの名前……ずっと考えてたの」
小さな寝息を聞きながら、私は微笑んだ。