一夜限りの恋だったはずなのに、最強総長は息子ごと私を離してくれない。
それでも、何度も話しかけてしまう。
「怖くないよ」
小さな背中をゆっくり撫でる。
「夏樹は、ひとりじゃないからね」
「……ふぇ……」
「ほら。ママがいるでしょ?」
返事の代わりに、夏樹の小さな指が私の服を掴んだ。
「……ふふ」
思わず笑ってしまう。
こんなにも小さな手なのに。
私の指を、一生懸命握っている。
「そんなに強く握らなくても、どこにも行かないよ」
「……ん……」
「ずっと一緒にいるから」
そう言って、額にそっと口づける。