外れ夫と結婚したのに、気付けば憧れの愛され妻と呼ばれていました

パーティーが終わり二人きりになると蒼真が心配そうに沙絵の肩を抱いた。

「沙絵、今日は嫌な思いをさせて悪かった」
「私は大丈夫。でも、お姉さんは大変なことになりそうだね」

パーティーには財界から政界、芸能界まで多くの招待客がいた。

「立場を失っただけではなく、彼女が二藤香音と高月孝也に対してしたことは刑事告訴されてもおかしくはないことだ」
「お姉さんはやり過ぎたんだね」
「ああ、あの写真は誰かに見せていいものじゃない」
「どんな写真を拡散したの?」

少し興味を覚えて尋ねると、蒼真は苦虫を嚙み潰したような顔をした。

「グロテスクな写真だ。精神衛生上見ない方がいい。それに今は高月家によって削除されてる」
「グロテスク……お姉さんはどうしてそんなことを?」
「さっきも言った通り沙絵と香音への攻撃だろう。それと同時に高月家に孝也の不倫を訴えて香音と別れさせようとしたのかもしれない。彼女は高月家で孤立していたって話もある。追い詰められていたのかもしれないな」
「そう……」
「今回の騒動で高月家は混乱するはずだ。孝也にはなんらかの制裁が下されるだろう。最終的には離婚になる可能性が高いな」

杏華の今後は、相当厳しいものになるだろう。

沙絵は複雑な気持ちになった。

釣書を選んだときの杏華の期待に溢れた顔を思い出したのだ。

孝也こそが最高の相手とあれほど喜んでいたのに。

(でもお姉さんが孝也さんを選んだから、私は蒼真と一緒になれた)
「俺は今回の対応を遣り過ぎだとは思っていない。彼女の行いは沙絵と子供たちを深く傷つけた。でも沙絵はどう感じた? 杏華さんに対して酷すぎると思うか?」

蒼真が少し不安そうな表情で沙絵を見つめた。

「ううん。蒼真は姉がしたことを返してくれただけ。自業自得だと思う」
「そうか……沙絵が傷つかなくてよかった」
「大丈夫。私には蒼真がいてくれるもの」

沙絵は蒼真の胸に顔を埋めた。こうやって彼の鼓動を感じる時間が愛おしい。

「これからも沙絵を守るから」
「うん、ありがとう」

沙絵は心から安心して微笑んだ。
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