マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました
「も、もうっ。気持ち悪いっ。消そうっ」
再びスマホを手に取ると、またブブッと振動する。
またか――そう思い画面に目を落とすと、表示されていたのはメッセージを受信したという画面。
けれど、その文章には目をまん丸にした。
『初めまして。プロフィールのアクセサリー、とても素敵ですね。もしよろしければ、お話ししませんか?』
適度な距離感に、優しそうな雰囲気の文面。
まともそうな人の登場に、思わず通知をタップした。
すると、相手のプロフィール画面が表記された。
画像は、誰かに撮られた写真で顔の部分がぼかされている。
(わ……おしゃれな人……)
清潔感があり、まるでプロが撮ったような写真に見入った。
ハンドメイドのアクセサリーの写真を撮る時、私も角度や光の入り方や背景にはこだわる。
彼も同じようにこだわっているのだと分かったのだ。
同じ東京に住んでいて、年は私より五歳年上の会社員で趣味はサッカーとキャンプ。
(わ。これは私とは違う……アウトドアな趣味の人だ……でも)
彼が登録している画像は、トップに表示されているものではなく他にもあった。
そこには、犬や猫の他に風景もあって、目を奪われるものばかりだった。
「この人なら……少しくらい、お話ししてみたいかも」
そう思い、彼に返信をした。