マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました

「ほーう。じゃあ、良い感じの人見つかったんだ?」
「うん。すごく良い人なんだ」

昼休憩に、結衣は日替わりランチ、私はお弁当を食べながら話をした。
今日の日替わりランチは唐揚げだ。
私のおかずは昨日の晩御飯の残りである野菜炒めとミニトマトと甘い卵焼き。
メッセージアプリに移行してから、彼との連絡の頻度は上がった。
また、マッチングアプリでは文章でのやりとりだけだったが、メッセージアプリでは文章の他にも撮った写真を送ることもある。
彼がマッチングアプリに登録していた複数枚の動物の写真は、彼が出先などで撮った時のものらしい。
会ったことはないし、素顔も知らない。
それでも、顔をぼかした写真から背が高いことは分かるし、プロフィールには身長百八十五センチと書かれていた。
その様子から、勝手に撮っているところを想像すると、笑みがこぼれた。

「いつ会うの?」
「えっ!? あ、会う……!?」

結衣の言葉に思わず箸で摘まんだミニトマトがぽとん、と白米の上に落ちた。

「え、そんな驚くこと? 会わないと始まんなくない?」

私の様子に、結衣の瞬きが増える。
彼とのやりとりは他愛のない会話で、楽しく心地よい。
けれど、実際に会うという話は、これまで一度も出たことがなかった。
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