マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました
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そして迎えた約束の日。
彼との約束は、一週間後の土曜日になった。
待ち合わせは午前十一時というゆったりとした時間設定。
いつもよりふわりと丁寧にまいた髪。
この日のために、いつもは休みの日にしている趣味のハンドメイドも夜な夜な平日の夜に行った。
ネイルチップと髪留めを新調するためだ。
鏡の前では、何度もファッションショーを行って十数回目の着替えでようやく納得のいく服装になった。
『着いたよ。滑り台の近くにあるベンチに座って待ってるね。黒い服を着てます』
公園に近くなるたび、鼓動が速くなる。
公園のすぐ近くに来ると、彼からメッセージが来て足も早くなった。
(う、嘘っ……もう、着いてるの……?)
待ち合わせまであと十分あるからと余裕で構えていたが、その文は私が焦るのには十分な内容だった。
土曜日ということもあり、家族連れやカップルが多い公園内。
きょろきょろと辺りを見渡して、滑り台に近付くとたしかに黒い服の人はいる。
けれど、そこにいたのは鷹岡颯馬だ。
(えっ……! どうして、鷹岡さんが……?)
急いでいた足が止まり、サッと身を隠すように木陰に潜んだ。
『すみません。あと少しで着きます……!』
スマホの画面と、鷹岡を交互に見ながらメッセージを送信する。
すぐに既読がついた。
そして、鷹岡も――スマホを触っている。
きっと彼じゃない。
そう思いたかったが、確信へと変わる。