マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました

「お疲れ様でーす」
「お疲れ様です」

エレベーターが到着すると、中からは営業事務らしき女性二人が降りる。
颯馬さんと白鳥さんに挨拶をして、扉が完全に締まると、顔を見合わせてた。

「ねっ。今の鷹岡さんと白鳥さん見たっ!?」
「見た見たっ! 二人とも、すっごい美形だよね」
「うんっ。さすがは営業一課のトップコンビ♡ 顔も良くて、仕事もできるなんてさすがすぎるっ」

二人を見かけたことで、きゃっきゃと盛り上がっている。
(颯馬さんと……白鳥さん、すごい仕事できそうな雰囲気だったものね……)
二人の会話に、心の中でぼそりと呟いて納得した。

「あの二人って、付き合ってるって噂あるよね?」
「あるある。まあ、あれだけお似合いなら言われるよね」

楽しそうに噂話をしている二人から私の姿は見えないのか、誰がいるかもわからない廊下でそんな話をしている。
(颯馬さん……白鳥さん、と……? えっ、でも、それなら……どうしてマッチングアプリを……それに、どうして、私に恋人のフリ、なんて……)
彼らを近くで見ているであろう二人のそんな話を聞いて、私は内心穏やかにいられなかった。
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