マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました
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「はぁ……」
午後一時過ぎになると、私は窓の外を見てため息を吐いた。
午前中は雲ひとつない快晴だったのに、昼休憩前から空が急に灰色に変わり、今では激しい雨が降っている。
今日は、先月同様に結衣が資格取得のための勉強会の出張に行っているため、お昼は一人。
公園で食べようと思っていたけれど、食堂で食べざるを得ない状況に内心は心臓がバクバクである。
(……よし。人は、あんまりいない)
食堂の外からひょっこりと中の様子を伺い、いつも通り人が少ないのを確認する。
いつもと同じ二人掛けの席に行けば、弁当の包みを開いた。
今日のお昼は、オムライス。
スーパーの特売で卵が安かったのと、ひき肉が割引だったので朝から作ったのだ。
「いただきまーす……」
小さく言い、手を合わせると食べ進める。
人が少ないとはいえ、周囲には営業部と企画部の人達がいてなんとなく居心地が悪い。
何かをされたというわけではないのだけれど、彼らは学校でいう“陽キャ”そのものだ。
対して私は、大人数の輪に自分から入っていけるタイプではない。
同じ空間にいるだけでも、ドキドキしてしまう。
(さっさと食べて、経理部に戻ろ……)
そんなことを思って、オムライスに視線を落とすと視界が暗くなった。