マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました
「特にそのネイル、可愛いです。どこかお店でしてもらってるんですか?」
「い、いえ。自分で……」
「自分で!? あの、少し拝見しても?」
「は、はい……」
こくりと頷いて手を差し出せば、白鳥さんが手を取る。
(わ、白鳥さんの手綺麗……爪も。忙しい営業部なのに、すごい……)
私のネイルを食い入るように見る白鳥さんを、私がじっと見ていると顔をバッと上げた。
「とても細かいネイルです。手先が器用なんですね」
「い、いえ……趣味で……あっ、あのっ。よかったら……」
つい趣味で作っているハンドメイドのネイルを褒められると気持ちが舞い上がった。
スマホを開き、私が開いているハンドメイドのショップの画面を表示した。
そこには、休日にこつこつ作ったネイルチップや髪留め、スマホアクセを出品している。
その画面を見せると、白鳥さんは無口にじっと画面を見る。
その無言の間がだんだんと不安な気持ちを煽る。
(し、しまった……社交辞令で言ってくれただけ、だよね……それなのに、私ったら舞い上がって……)
「あ、あのっ。すみません。こんなの見せられても――」
「これ、私も買って良いんですか?」
「えっ……?」
スマホを下げようとしたら、画面を食い入るように見ていた白鳥さんがパッと顔を上げた。
その言葉に、目をまん丸にした。