マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました

「えっと、ハンドメイドの話を……」
「あぁ。画像の」

話しながら、食べ終えたトレーを私の正面の席に置いたかと思えばそのまま腰を下ろした。
(颯馬さん……やっぱり、彼女さんのことが気になるんだ……)
そんなことをぼんやりと考えながらオムライスを食べ進めていると、ハッとした。
この状況、かなりまずいのではないのだろうか。
颯馬さんと白鳥さんは付き合っている。
私はさっきまで白鳥さんと話していた。
そして、今は颯馬さんと話している。
今の時間に休憩を摂っているのは、企画部と営業部。
営業部の人からしたら私は――三角関係の当事者に見えてしまうのではないだろうか。
自分から三角関係を作ろうとしているとんでもない人に見られてしまう……!
そう思うと、慌ててオムライスを食べ始めた。

「んっ、んぐっ……!」
「おい。大丈夫か」

慌てて食べていると、思わず喉につかえてしまう。
むせてしまい、水筒のお茶を流し込み、何とか息苦しさから解放される。

「そんな慌てなくても……初花の休憩は二時までだろう?」

腕時計で時間を確認しながら不思議そうに言う颯馬さん。

「そ、そう……ですけど」

まさか、私がとんでもない泥棒猫に見えてしまうだなんて言えるわけがない。
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