マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました
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「んっ……」
車の揺れは完全に止まり、辺りはオレンジ色に染まっている。
一瞬で自分が何をして、何が起こっているのか理解した。
颯馬さんが運転する車で、眠りこけてしまったのだ。
サッと血の気が引き、一気に目が覚める。
「おはよ」
すぐに隣にいる颯馬さんを見ればスマホを触っていて、私の視線に気づくとスマホをポケットにしまった。
「すっ……すみませんっ。私っ……寝て……?」
「あぁ。随分ぐっすりと」
やってしまったぁ……。
車を運転させて、寝るなんて一番やってはいけないご法度。
「すみませんっ。あ、あのっ、私っ……歩いて帰りますっ。これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはっ……!」
「え。歩いて帰るって、帰れる?」
「へ……?」
改めて周囲を確認すると、知らない場所。
車からはコンクリートの堤防が見えるだけで、他に得られる情報がない。
「ここ……どこ、ですか?」
「起こすのも可哀想だなと思って。猫カフェの予定はなくなったけど、ドライブがてらに海に来てみた」
「う、海っ……!?」
突然の場所の告白に、パチパチと瞬きを繰り返す。