マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました

「睡眠はちゃんとしなきゃ……もう、今日は終わりにしよ……」

外はまだ暗い。
再度、スマホを確認したら時刻は午前二時過ぎ。
(今からベッドで寝たら、三時間ちょっとは眠れる……)
短く息を吐いて、そのままベッドに潜り込んだ。
(大丈夫、大丈夫……今、周りにあんなことを言う人はいないのだから……)
自分を落ち着かせようと、何度も言い聞かせた。
あの頃の経験から、今でも男性は少し苦手だ。
ただ、肌に対する恐怖心だけは、もう乗り越えたつもりでいた。
それは、華蘭の洗顔、スキンケア商品と出会ったからだ。
どれほど頑張っても、肌は改善されなかったけれど、高校に入学してから出会った友達に教えてもらい、私は洗顔とスキンケアをすれば肌質を改善できた。
その時から『華蘭に入社して、私と同じような思いの人を助けたい』と思うようになった。
けれど、大学生になってインターンシップへ行き、気になっていた営業部と企画部の仕事に携わることとなった。
しかし、そこにはキラキラと輝く華やかな人たちが働いていた。
まだ、挑戦もしていないけれど潜在的に『無理だ』と勝手に諦めてしまった。
それでも、『華蘭に入社したい』という気持ちが折れることはなく、大学で専攻していた学部が商学部だったこともあり、日商簿記一級をはじめとする経理部への入社で有利な資格を取得して、何とか入社できた。

今の私は、昔の私と違うんだから――そう思い、少しでも睡眠時間を減らさないよう心中を落ち着かせた。
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