マッチングアプリの待ち合わせ相手がまさかの営業部エース御曹司で思わずバックレたら、見合いを断るための偽装恋人を頼まれてしまいました

「出会いか……そういえば、初花って飲み会とか毎回不参加だもんね」

結衣が真剣に考えてくれるけれど、私は申し訳なさから控えめに頷いた。
私は、昔から大人数でいることや騒がしい場所が苦手だ。
そのため、入社してすぐにあった新入社員歓迎会の飲み会にだけ参加して、それ以降の飲み会や集りは全部不参加である。

「あっ。じゃあさ」

何かを思いついたように、ハッとする結衣。
スマホを取り出して、操作して映し出した画面を私に見せた。
そこには、『couples(カップルズ)』と表記されている。
ハート模様の可愛らしいアイコンに小首を傾げた。

「……ゲーム?」

アイコンをじっと見つめた後に、結衣の顔を見れば首を横に振る。

「ううん。マッチングアプリ」
「マッ……! マッチングアプリって、あの……!」

言葉を聞いただけで顔が赤くなる。
マッチングアプリというものは、恋愛に縁遠い私でも知っていた。

「で、でも……危なく、ない……? 知らない人と会う、ってやつ……だよね?」
「まあ、変な人はいるけどね。でも、やりとりしてたら何となく分かるし、怪しかったらブロックすればいいよ。ほら、こうやってね? いいなーって人は右、いまいちだなーって人は左にスワイプ。で、会話できるの」
「へぇ……」

実際に何人かを左右にスワイプして説明され、その話に見入った。
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