魔法より、君に恋をする。
中庭を出る頃には、空が薄い紫色に染まっていた。
入口にはセシルが待っていた。
「おかえり」
「待ってたの?」
「迎えに来るって言ったから」
「ありがとう」
セシルがリリアの隣へ並ぶ。
「ちゃんと返してくれてありがとうございます、レオン先輩」
「約束したからね」
「何話してたの?」
リリアが答えようとする。
「レオン先輩が私に――」
「リリア」
レオンハルトが珍しく慌てて止めた。
「何?」
「それは二人だけの話にしておいてくれると嬉しいな」
「秘密?」
「できれば」
「分かった」
セシルが二人を見る。
「……気になるな」
「セシルにも秘密あるでしょ」
「あるけど」
「ならお互い様」
「そうだね」
セシルは少し笑った。
「じゃあ聞かない」
リリアはレオンハルトへ手を振る。
「また明日」
「うん」
レオンハルトは一瞬だけ、その言葉を噛みしめるように聞いた。
「また明日、リリア」
セシルと並んで歩き出す。
少し進んだところで。
「リリア」
「何?」
「明日、迎えに行くからね」
「分かってる」
「一人で行こうとしないで」
「迷わない」
「今日迷ってたよ」
「途中で気づいた」
「私が言ったからでしょ」
「……」
「ね?」
「迎えに来てください」
「はい」
セシルが笑う。
リリアも笑った。
そのまま寮へ向かう。
けれど。
ふと、自分の髪に触れた。
さっきレオンハルトの指が触れたところ。
もう何も残っていないのに。
「……」
「どうしたの?」
「何でもない」
言ってから、気づく。
「これ、みんなが言うやつだ」
「何が?」
「何でもない」
「?」
少しだけ面白くなって、リリアは笑った。
入口にはセシルが待っていた。
「おかえり」
「待ってたの?」
「迎えに来るって言ったから」
「ありがとう」
セシルがリリアの隣へ並ぶ。
「ちゃんと返してくれてありがとうございます、レオン先輩」
「約束したからね」
「何話してたの?」
リリアが答えようとする。
「レオン先輩が私に――」
「リリア」
レオンハルトが珍しく慌てて止めた。
「何?」
「それは二人だけの話にしておいてくれると嬉しいな」
「秘密?」
「できれば」
「分かった」
セシルが二人を見る。
「……気になるな」
「セシルにも秘密あるでしょ」
「あるけど」
「ならお互い様」
「そうだね」
セシルは少し笑った。
「じゃあ聞かない」
リリアはレオンハルトへ手を振る。
「また明日」
「うん」
レオンハルトは一瞬だけ、その言葉を噛みしめるように聞いた。
「また明日、リリア」
セシルと並んで歩き出す。
少し進んだところで。
「リリア」
「何?」
「明日、迎えに行くからね」
「分かってる」
「一人で行こうとしないで」
「迷わない」
「今日迷ってたよ」
「途中で気づいた」
「私が言ったからでしょ」
「……」
「ね?」
「迎えに来てください」
「はい」
セシルが笑う。
リリアも笑った。
そのまま寮へ向かう。
けれど。
ふと、自分の髪に触れた。
さっきレオンハルトの指が触れたところ。
もう何も残っていないのに。
「……」
「どうしたの?」
「何でもない」
言ってから、気づく。
「これ、みんなが言うやつだ」
「何が?」
「何でもない」
「?」
少しだけ面白くなって、リリアは笑った。