魔法より、君に恋をする。
 帰り道。

 七人は学院へ戻っていた。

「食べすぎた」

「知ってる」

 セシルが笑う。

「リリア、最後のケーキいらなかったでしょ」

「食べたかった」

「お腹痛い?」

「ちょっと」

「ほら」

「でも後悔してない」

「ならいいのかな」

「いい」

 少し後ろ。

 ノアとアレンが何か言い合っている。

 カイルが呆れている。

 レオンハルトが仲裁している。

 騒がしい。

 いつもの光景。

「リリア」

 ルシアンに呼ばれた。

「何?」

「少しいい?」

 声が。

 いつもより真面目だった。

「うん」

 セシルが二人を見る。

「先に戻ってる?」

「いや」

 ルシアンが答えた。

「待っていてほしい」

 セシルが少し驚く。

「私も?」

「君だけじゃない」

 ルシアンは前を歩く四人を見る。

「全員」

 ノアが振り返る。

 空気が変わった。
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