魔法より、君に恋をする。
資料室を出ようとした時、廊下から慌ただしい足音が聞こえた。
一年生らしい男子生徒が二人、資料を抱えて走っている。
「走るな」
カイルが一言告げる。
二人は飛び上がるように止まった。
「す、すみません!」
「資料を落とすぞ」
「はい!」
ものすごく怯えている。
カイルが通り過ぎると、二人は深々と頭を下げた。
リリアはその背中を見てから、カイルを見る。
「怖がられてますね」
「知ってる」
「気にしない?」
「困ることはない」
「寂しくない?」
カイルがこちらを見る。
「なぜそうなる」
「みんな先輩と話したら、思ってたより優しいって分かるのに」
「別に分からなくていい」
「もったいない」
「何が」
「クロフォード先輩が」
カイルの足が止まった。
「……俺?」
「はい」
「俺の何がもったいない」
「本当は優しいのに、怖い人だと思われてるところ」
「お前が分かっていれば十分だ」
あまりにも自然に言われたので、リリアは数歩進んでから止まった。
振り返る。
カイルも止まる。
「今の」
「忘れろ」
「嫌です」
「……そう言うと思った」
諦めたような声だった。
「私だけでいいの?」
「言い方を変えろ」
「なんで?」
「頼むから」
昨日も似たことを言われた気がする。
先輩たちは、意外と注文が多い。
一年生らしい男子生徒が二人、資料を抱えて走っている。
「走るな」
カイルが一言告げる。
二人は飛び上がるように止まった。
「す、すみません!」
「資料を落とすぞ」
「はい!」
ものすごく怯えている。
カイルが通り過ぎると、二人は深々と頭を下げた。
リリアはその背中を見てから、カイルを見る。
「怖がられてますね」
「知ってる」
「気にしない?」
「困ることはない」
「寂しくない?」
カイルがこちらを見る。
「なぜそうなる」
「みんな先輩と話したら、思ってたより優しいって分かるのに」
「別に分からなくていい」
「もったいない」
「何が」
「クロフォード先輩が」
カイルの足が止まった。
「……俺?」
「はい」
「俺の何がもったいない」
「本当は優しいのに、怖い人だと思われてるところ」
「お前が分かっていれば十分だ」
あまりにも自然に言われたので、リリアは数歩進んでから止まった。
振り返る。
カイルも止まる。
「今の」
「忘れろ」
「嫌です」
「……そう言うと思った」
諦めたような声だった。
「私だけでいいの?」
「言い方を変えろ」
「なんで?」
「頼むから」
昨日も似たことを言われた気がする。
先輩たちは、意外と注文が多い。