アネモネの花
私たちが横に立っても気付かないのは、真剣に試合を見ている証拠。

たぶん、呼んでも気付かない…


―――トンッ


腕を叩く――というより振動を与える。


紘人はゆっくりと振り返って、


「おう」


と一言。



だけど、そのすぐ後に私の後ろの悠に気付いてぺこっと挨拶をした。


「初めましてー」

悠が紘人のお辞儀に答え、続けてひとこと言った。
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