【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
 高遠社長人気は社内外問わず『すごい』のひと言に尽きる。

 シルバーフレームの眼鏡がなければ人気俳優ばりの容貌がもっとよく見えるのに、と女性社員達がよく嘆いている。一説では、あまりにイケメンすぎて仕事が手につかなくなる女性社員続出がいたために掛けるようになった――などと言われていたりもする。

 もちろんすごいのは見た目だけではない。

 日本最高峰の大学在学中に、このHFIを立ち上げた優秀な起業家だ。と同時に、世界的総合電気メーカー『タカトー』のCEOを父に持つ御曹司でもある。

 あまりに完璧すぎて、自分と同じ人間とは思えない。完全に雲の上の人だ。

 社内の女性達はよく社長の話題で盛り上がっているが、私はそれに加わろうとは思えない。デザインセンスや経営の敏腕ぶりを心から尊敬しているけれど、〝男性〟を見るような気持ちにはなれないのだ。テレビに出ている芸能人と同じで、別世界の住人という感覚だ。

「そういえば」

 バッグからスマホを取り出す。画面に着信が表示されていた。

「やっぱり……」

 ため息交じりにつぶやいてから、私はスマホをバッグに戻した。要件はわかっている。朝一からそれに付き合っていたら、一日の気力が全部持っていかれそうだ。

 昼休憩にかけ直そう……。

 私はスマホをバッグにしまい、足元に気をつけながらオフィスへと向かった。


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