【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
メンバー紹介が終わり、私はホッとしながらデスクに戻る。
HFIのオフィスは、基本的にフリーアドレス制だ。今日はオフィス一番乗りだったため、窓際で壁を背にした席を確保できた。隅の狭い場所が落ち着く習性が昔からある。
高揚した気持ちを胸の奥に押し込み、通常モードに切り替える。こういうときほど平常心を保たないと、そそっかしい私はうっかりミスをしてしまう。
「水鳥川さん」
名前を呼ばれて振り向くと、三歳上の先輩、安河内梨恵香が立っていた。
一重まぶたの和風顔に真っ赤な口紅が特徴的で、ハニーブラウンのロングヘアを緩く編んでひとつにまとめている。シフォンのブラウスにタイトスカートという女性らしい装いが定番スタイルだ。
彼女はもともと制作部だったが、本人の希望で営業部へ異動してきた。社歴も長いため社内での発言力も強い。
「ちょっといい?」
彼女が不機嫌さを隠そうともしない理由に、思いあたる節があった。嫌な予感しかしないが、後輩の自分が『だめです』とは言えない。せめて人目のないところでふたりきりになるのは避けよう。
「なにか御用でしょうか? 今ここでお伺いしますね」
笑顔で答えると、眉間をきつく寄せて睨みつけてくる。
HFIのオフィスは、基本的にフリーアドレス制だ。今日はオフィス一番乗りだったため、窓際で壁を背にした席を確保できた。隅の狭い場所が落ち着く習性が昔からある。
高揚した気持ちを胸の奥に押し込み、通常モードに切り替える。こういうときほど平常心を保たないと、そそっかしい私はうっかりミスをしてしまう。
「水鳥川さん」
名前を呼ばれて振り向くと、三歳上の先輩、安河内梨恵香が立っていた。
一重まぶたの和風顔に真っ赤な口紅が特徴的で、ハニーブラウンのロングヘアを緩く編んでひとつにまとめている。シフォンのブラウスにタイトスカートという女性らしい装いが定番スタイルだ。
彼女はもともと制作部だったが、本人の希望で営業部へ異動してきた。社歴も長いため社内での発言力も強い。
「ちょっといい?」
彼女が不機嫌さを隠そうともしない理由に、思いあたる節があった。嫌な予感しかしないが、後輩の自分が『だめです』とは言えない。せめて人目のないところでふたりきりになるのは避けよう。
「なにか御用でしょうか? 今ここでお伺いしますね」
笑顔で答えると、眉間をきつく寄せて睨みつけてくる。