【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
「もしもしお父――」
『やっと出たのか』
第一声からため息交じりの声に言葉を遮られ、ムッとする。かけ直さなかったのは私の落ち度だけれど、こちらも遊んでいたわけではない。私の都合はお構いなしかと言いたくなる。
だけどそれではまた親子げんかになってしまう。『冷静に、冷静に』と心の中でくり返しながら口を開く。
「まだ仕事中だったから」
『忙しいの』と遠回しに伝えてみる。ウィークデーの真ん中で鬼電(おにでん)をするのはやめてもらいたい。
『こんなに遅くまで女のおまえに仕事をさせるなんてろくな会社じゃないぞ』
「女とか男とか関係ないわ。それに別にさせられているわけじゃない、私が好きでやっているの。うちの会社は社員の自主性を大事にしているから残業を押しつけられたりしない。ちゃんとした会社だって何度言ったらわかってくれるの? お父さんは知らないだろうけど、HFIはUXデザイン業界では業績も知名度も抜群で――」
『ユーなんたらは知らんが、おまえが直接作っているわけじゃないだろう』
「それは……」
それを言われると弱い。だがここで負けたら向こうの思うつぼだ。
「私が営業で得た知識や情報も、ちゃんとデザインに反映されているわ」
たしかにホームページを作るのはデザイナーやエンジニアだけれど、私達営業部も制作に多少なりともかかわっている。クライアントの声を制作部に届けるのは、私達が目指すユーザー体験の設計に確実につながっている。
『やっと出たのか』
第一声からため息交じりの声に言葉を遮られ、ムッとする。かけ直さなかったのは私の落ち度だけれど、こちらも遊んでいたわけではない。私の都合はお構いなしかと言いたくなる。
だけどそれではまた親子げんかになってしまう。『冷静に、冷静に』と心の中でくり返しながら口を開く。
「まだ仕事中だったから」
『忙しいの』と遠回しに伝えてみる。ウィークデーの真ん中で鬼電(おにでん)をするのはやめてもらいたい。
『こんなに遅くまで女のおまえに仕事をさせるなんてろくな会社じゃないぞ』
「女とか男とか関係ないわ。それに別にさせられているわけじゃない、私が好きでやっているの。うちの会社は社員の自主性を大事にしているから残業を押しつけられたりしない。ちゃんとした会社だって何度言ったらわかってくれるの? お父さんは知らないだろうけど、HFIはUXデザイン業界では業績も知名度も抜群で――」
『ユーなんたらは知らんが、おまえが直接作っているわけじゃないだろう』
「それは……」
それを言われると弱い。だがここで負けたら向こうの思うつぼだ。
「私が営業で得た知識や情報も、ちゃんとデザインに反映されているわ」
たしかにホームページを作るのはデザイナーやエンジニアだけれど、私達営業部も制作に多少なりともかかわっている。クライアントの声を制作部に届けるのは、私達が目指すユーザー体験の設計に確実につながっている。