【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
「私はこの会社での営業にやりがいを感じているの。辞めるなんてありえないから」
『またそんなこと言って。おまえ、もう二十七だぞ。母さんは今のおまえの年には、もうおまえを産んでいたんだ。いい縁談を用意してやるから、都会で遊ぶのは終わりにしてさっさと戻ってこい』
「なっ……」
頭がカッと煮えたようになり、思わず立ち上がった。ガタンッと椅子が大きな音を立てる。
「いい加減にしてよ……私は遊んでなんてない! 『いい縁談』ってお父さんにとってでしょ⁉ 私は会社を辞めないし、そっちにも戻らないからっ」
『珠希っ』
父の怒声をぶつ切るようにして電話を切った。めずらしく声を荒げたせいで息が乱れている。
またダメだった……。このままでは無理やり連れ戻される日も近いかもしれない。
大きく息を吐きながらその場にずるずると座り込んだ。
「大丈夫ですか?」
突如聞こえた声にびくっと肩が跳ねた。勢いよく顔を上げたら、社長室から顔を出している高遠社長と目が合った。
どうして社長がいるの⁉ 私がオフィスに戻って来たときには社長室は空だったのに……!
社長室は同じオフィスの一角にあり、ガラスボードで区切られている。中が見えるため、社長が在室しているかどうかはひと目でわかる。『用があればいつでも声をかけてくれていい』という社長の姿勢の現れだ。
私は社長室に背を向けて座っていたから、作業に集中していて社長が入室したのに気づかなかったようだ。
『またそんなこと言って。おまえ、もう二十七だぞ。母さんは今のおまえの年には、もうおまえを産んでいたんだ。いい縁談を用意してやるから、都会で遊ぶのは終わりにしてさっさと戻ってこい』
「なっ……」
頭がカッと煮えたようになり、思わず立ち上がった。ガタンッと椅子が大きな音を立てる。
「いい加減にしてよ……私は遊んでなんてない! 『いい縁談』ってお父さんにとってでしょ⁉ 私は会社を辞めないし、そっちにも戻らないからっ」
『珠希っ』
父の怒声をぶつ切るようにして電話を切った。めずらしく声を荒げたせいで息が乱れている。
またダメだった……。このままでは無理やり連れ戻される日も近いかもしれない。
大きく息を吐きながらその場にずるずると座り込んだ。
「大丈夫ですか?」
突如聞こえた声にびくっと肩が跳ねた。勢いよく顔を上げたら、社長室から顔を出している高遠社長と目が合った。
どうして社長がいるの⁉ 私がオフィスに戻って来たときには社長室は空だったのに……!
社長室は同じオフィスの一角にあり、ガラスボードで区切られている。中が見えるため、社長が在室しているかどうかはひと目でわかる。『用があればいつでも声をかけてくれていい』という社長の姿勢の現れだ。
私は社長室に背を向けて座っていたから、作業に集中していて社長が入室したのに気づかなかったようだ。