【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
これまで私が見てきたものはなんだったの?
社長の急激な変貌に気持ちがついていかず、言葉が口から出てこない。
「ただの処世術だろ、こんなもの。好感度が高いキャラの方が、仕事がスムーズにいくからな」
「それはそうかもしれませんが……」
ここまで百八十度違う人はいない気がする。
「誰だってなにかしらよそ行きの顔を持つ。素をさらけ出して生きているやつの方が少ない。優等生、王子、紳士。他人が求める人格を演じる、いわば擬態だ。面倒な人間関係を避けられて結果的にタイパがいい」
「そんな……窮屈じゃないですか?」
社長はフッと息を吐くように笑った。
「もう慣れたさ。子どもの頃からだ。制服やスーツを着るのとなんら変わらない」
私だって会社に行くときはスーツを着てメイクをする。そうして社会人としての気合を入れていると言われれば、そうかもしれない。
素とは違う自分を作っているのは同じだけれど、じゃあまったく別人格の仮面を被っているかといえば、そうではない。
釈然としない気持ちを持てあましていると、社長がニヤリと口の端を上げた。
「さて、水鳥川。秘密を知ってこのまま帰れると思うなよ」
二重まぶたの瞳があやしい光をたたえている。嫌な予感に、背中が汗ばんだ。
社長の急激な変貌に気持ちがついていかず、言葉が口から出てこない。
「ただの処世術だろ、こんなもの。好感度が高いキャラの方が、仕事がスムーズにいくからな」
「それはそうかもしれませんが……」
ここまで百八十度違う人はいない気がする。
「誰だってなにかしらよそ行きの顔を持つ。素をさらけ出して生きているやつの方が少ない。優等生、王子、紳士。他人が求める人格を演じる、いわば擬態だ。面倒な人間関係を避けられて結果的にタイパがいい」
「そんな……窮屈じゃないですか?」
社長はフッと息を吐くように笑った。
「もう慣れたさ。子どもの頃からだ。制服やスーツを着るのとなんら変わらない」
私だって会社に行くときはスーツを着てメイクをする。そうして社会人としての気合を入れていると言われれば、そうかもしれない。
素とは違う自分を作っているのは同じだけれど、じゃあまったく別人格の仮面を被っているかといえば、そうではない。
釈然としない気持ちを持てあましていると、社長がニヤリと口の端を上げた。
「さて、水鳥川。秘密を知ってこのまま帰れると思うなよ」
二重まぶたの瞳があやしい光をたたえている。嫌な予感に、背中が汗ばんだ。