【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
 さっそく詳細を詰めようと言われリビングに戻ったところで、ピンポーンとドアホンが鳴った。こんな時間に来客?と思ったら、デリバリーのピザだった。

「腹が減ってはなんとやら、だろう? 食べながら打ち合わせよう」

〝あの〟高遠社長の口から『腹』とか……。大分このキャラに慣れてきたと思ったが、まだまだギャップについて行けそうにない。

「なにしてるんだ、水鳥川。冷める前に食べるぞ」

 振りかえった社長に呼ばれ、「はい」と返事をして追いかけた。

 まさか社長の自宅で向かい合ってピザを食べる日が来るなんて……。

 さっそく届いたピザを食べながら、得も言われぬ気分になった。ここに来るまでの経緯すらいまだに信じがたい。
 社長がピザにかぶりつくのをぼうっと見ながら考えていたら、社長が顔を上げた。

「なんだ」

「いや……社長もピザとか食べるんだなあと思って」

 複雑な心境をひと言では表しがたくて、全然違う内容を口にした。
 社長が眉をひそめる。

「おまえ……俺をなんだと思っているんだ」
「いえ、その、なんだか別の世界の人みたいで……霧とか霞とかで生きていそう……というか」

 薄目でフンッと笑われる。

「俺は仙人じゃないぞ」

「わかってますけど……」

 もちろん私だって本気でそう思っていたわけではない。けれどジャンクフードにかぶりつくようなイメージもなかった。常にフォークとナイフが必要な食事をしているような。
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