【秘密の溺愛シリーズ】 紳士な社長の秘密を知ったら、独占欲強火の愛で娶られました
「勘違いするなよ。おまえがいるからどうこうって話じゃない。いつものことだ」

 社長はなんでもないふうにサラッと言ったけれど、眠れないなんてただ事ではない。
 いくら有能な社長と言えど、人の子だ。睡眠不足の影響がまったく出ないわけがない。寝不足では疲れが取れないし、集中力が低下してパフォーマンスも落ちる。悪くすれば体調を崩したりもするので、仕事どころか体にまで悪影響を及ぼす。

「せめてベッドに横になるだけでも」

「時間の無駄だ。どうせ眠れないなら仕事をした方がいい」

 唖然とする。私は自分がかなりの仕事好きだと自負しているけれど、社長はそれ以上。仕事中毒というのがピッタリかもしれない。

「それにベッドは寝室にしかない。書斎に入るサイズのベッドは手配中だ」

「えっ!」

 てっきり別の部屋にもベッドが置いてあると思っていた。

「じゃあ私がこちらで寝ますからっ、社長は寝室を使っ――」

 慌てて駆け寄ったら、ラグの端にスリッパが引っかかりソファーに向かってつんのめった。

「わっ」

「あぶない!」

 社長がこちらに手を伸ばした。飛びつくようにして倒れ込んだのは、社長の体の上。勢いよく倒れ込んだせいで、社長を押し倒すような形になっていた。
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