鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「旺史郎はいずれ黛総合病院を継ぐ予定となっておりますが、当面は救命救急医として当院のERを任せることとなっております。結婚したからといって、普通の新婚生活のようには参りません。まあ、うちなんかよりもずっと歴史ある医者の系譜をお持ちの羽野家のお嬢さんには、言わずと知れた話でしょうけれども」
ほほほと笑ったお母様に、私は『今だわ!』と意を決して口を開く。
「あの私! じ……実はお料理が大の苦手でっ」
嘘だ。料理はまったく苦手ではない。割と好きな方だ。
だめなところを披露して、『そんな不出来な娘は当家の嫁にふさわしくない!』と思ってもらえればいい。
隣では伯父が『突然なにを言い出すんだ!』と言いたげにこちらを見たが、私は気づかないふりで前だけを見続ける。
「何をおっしゃるかと思いきや」
眉をひそめた夫人がため息混じりに言う。さっそく作戦成功かと喜んだのもつかの間。
「うちには料理人をはじめとした使用人が大勢おりますので、家事はいっさい必要ありません」
「そ、そうでしたか……」
予想外の答えにがっかりした。羽野家もそれなりに裕福な家庭だとは思っていたが、黛家はレベルが違うようだ。さすがあちこちにいくつも傘下の病院を持つ黛会の理事長の家だ。
ほほほと笑ったお母様に、私は『今だわ!』と意を決して口を開く。
「あの私! じ……実はお料理が大の苦手でっ」
嘘だ。料理はまったく苦手ではない。割と好きな方だ。
だめなところを披露して、『そんな不出来な娘は当家の嫁にふさわしくない!』と思ってもらえればいい。
隣では伯父が『突然なにを言い出すんだ!』と言いたげにこちらを見たが、私は気づかないふりで前だけを見続ける。
「何をおっしゃるかと思いきや」
眉をひそめた夫人がため息混じりに言う。さっそく作戦成功かと喜んだのもつかの間。
「うちには料理人をはじめとした使用人が大勢おりますので、家事はいっさい必要ありません」
「そ、そうでしたか……」
予想外の答えにがっかりした。羽野家もそれなりに裕福な家庭だとは思っていたが、黛家はレベルが違うようだ。さすがあちこちにいくつも傘下の病院を持つ黛会の理事長の家だ。