鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
やっぱり私には冷酷非情だとは思えないわ……。
今も六年前も、彼は私を助けてくれた。噂は噂だ。少なくとも私は、自分が見たものを信じたい。
ゆっくりと小路を進み、池の反対側に来た。
母屋の縁側に面して作られたこの庭は、池の対面には様々な草木が植えられている。紅葉している木もあれば常緑樹もあり、足元には ツワブキが黄色い花を咲かせている。
彼は頭にぶつかりそうなモミジの枝にそっと手で避ける。斜め後ろから見上げた彼の、額から顎にかけてのカーブがとても美しくて、つい見惚れてしまう。
「年明けにはアメリカへ行く」
「え?」
前置きなく投げられた言葉に目をしばたたいた。
「臨床留学だ。戻ってくるのは二年後。婚姻届の提出はそれからになるが、それでも構わないか」
「二年後……」
彼は留学に出る前に、黛総合病院の後継者としての足場を固めておく必要があると言う。戻ったら高度救命救急センター長に就き、病院経営にも携わる。悠長にお見合いをしている暇はなくなるため、留学前に結婚相手を決めておくのだと彼は語った。
今も六年前も、彼は私を助けてくれた。噂は噂だ。少なくとも私は、自分が見たものを信じたい。
ゆっくりと小路を進み、池の反対側に来た。
母屋の縁側に面して作られたこの庭は、池の対面には様々な草木が植えられている。紅葉している木もあれば常緑樹もあり、足元には ツワブキが黄色い花を咲かせている。
彼は頭にぶつかりそうなモミジの枝にそっと手で避ける。斜め後ろから見上げた彼の、額から顎にかけてのカーブがとても美しくて、つい見惚れてしまう。
「年明けにはアメリカへ行く」
「え?」
前置きなく投げられた言葉に目をしばたたいた。
「臨床留学だ。戻ってくるのは二年後。婚姻届の提出はそれからになるが、それでも構わないか」
「二年後……」
彼は留学に出る前に、黛総合病院の後継者としての足場を固めておく必要があると言う。戻ったら高度救命救急センター長に就き、病院経営にも携わる。悠長にお見合いをしている暇はなくなるため、留学前に結婚相手を決めておくのだと彼は語った。