鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
第二章 運命のデート
お見合いからちょうど一週間後の午前十時。
私はなぜか高級外車の助手席で、借りてきたネコのように身を固くしていた。小さな空間にふたりきりのせいで、心臓がずっとドキドキとうるさい。
いったいどうしてこんなことに……。
ハンドルを握る彼を、横目でちらりと盗み見る。
相変わらず美しい曲線を描く横顔。まっすぐフロントガラスの向こうを見つめる切れ長の目には、長いまつげがひさしを作っている。
着心地のよさそうな柔らかなダークグレーのニットに、カーキ色のテーパードパンツ。ニットの下には白シャツの襟が見えている。
ハンドルを持つ腕は、軽く袖を上げているので筋肉の線が浮き出ている。運転しているだけなのに、どうしてこんなに色気がすごいのだろう。
私、どこかおかしいところはないわよね……。
前回は着物だったのでなにを着るか考えなくてよかったが、今回はそういうわけにはいかない。
悩んだ末、ツイード素材できちんと見えするジャンパースカートに、薄手の黒いタートルニットを合わせた。V字の襟とウエストの切り替え、スカートの裾がフリンジになっているのがポイントだ。
中身が私なので、どうがんばっても彼に釣り合うとは思えないけれど、少しはましに見えるようにと手持ちの服をひっくり返してコーディネートしてきた。