鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
一瞬、『こんな女の隣は歩きたくない』と思わせるようなひどい格好で行こうかという考えが頭をよぎったけれど、さすがにそんな姿で眉目秀麗な彼の隣に立つ勇気はなかった。
本心を言えば服を新調したかったくらいだけど、それは無理だった。私が今回の予定を知ってからまだ二十四時間と経っていない。
『明日旺史郎さんとふたりで出かけなさい』
突然院長室に呼ばれてそう告げられた時は、驚きで一瞬声を失った。
急すぎるので断ってほしいと何度頼んでも、伯父は聞く耳を持たなかった。お見合いの翌日には今日の誘いの連絡が届いていたので、今更断れないという。
伯父は私が行くしかないと諦めるとわかっていて、わざとギリギリに言ってきたのだ。
どんどん追い込まれていく感じに背中が冷える。
でも……もしかしたら逆にチャンスかもしれないわ。
彼が留学に出るまであとひと月余りだ。それまでに私に対して悪印象を植えつけておけば、縁談を考え直してくれる可能性も上がる。
でもどうやって?
前回のお見合いで断られるかと思っていたのに、こうして二回目があった。もっとインパクトのある失敗をするべきなの? それってどういう……。
「どこか行きたいところはあるか」
唐突に声を掛けられて隣を見る。
「昼食を一緒にと思っているが、昼にはまだ早い。行きたいところがあれば言ってくれ」
いきなり行きたいところを聞かれても困る。デートの経験すらないせいで、こういう時になんと答えたらいいのかわからない。
本心を言えば服を新調したかったくらいだけど、それは無理だった。私が今回の予定を知ってからまだ二十四時間と経っていない。
『明日旺史郎さんとふたりで出かけなさい』
突然院長室に呼ばれてそう告げられた時は、驚きで一瞬声を失った。
急すぎるので断ってほしいと何度頼んでも、伯父は聞く耳を持たなかった。お見合いの翌日には今日の誘いの連絡が届いていたので、今更断れないという。
伯父は私が行くしかないと諦めるとわかっていて、わざとギリギリに言ってきたのだ。
どんどん追い込まれていく感じに背中が冷える。
でも……もしかしたら逆にチャンスかもしれないわ。
彼が留学に出るまであとひと月余りだ。それまでに私に対して悪印象を植えつけておけば、縁談を考え直してくれる可能性も上がる。
でもどうやって?
前回のお見合いで断られるかと思っていたのに、こうして二回目があった。もっとインパクトのある失敗をするべきなの? それってどういう……。
「どこか行きたいところはあるか」
唐突に声を掛けられて隣を見る。
「昼食を一緒にと思っているが、昼にはまだ早い。行きたいところがあれば言ってくれ」
いきなり行きたいところを聞かれても困る。デートの経験すらないせいで、こういう時になんと答えたらいいのかわからない。