鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「私はどこでも。黛さんが行きたいところでいいです」
意識してそっけなく答えると、彼は一瞬だけ私を横目で見てから小さくため息をついた。
「君は案外危なっかしいな」
「え?」
これまで二十五年間生きてきて、そんなふうに言われた記憶はない。大抵は『しっかりしている』という評価をもらってきたのだけど――。
「男の車に乗ってそんなふうに言えば、大抵の男が勘違いするぞ」
「勘違い……」
「ああ。この子はすでに自分に体を許す気でいる、とな」
「かっ……体⁉」
カーッとつま先から頭のてっぺんまで、血液が沸騰したかのように熱くなった。
「違います! 私そんなつもりじゃっ」
「海と山、どっちだ」
私の動揺などお構いなしに、彼は二者択一を投げてくる。私は上昇した鼓動を押さえるべく二、三度深呼吸をする。
彼がなにを聞いているのか今度はすぐにわかった。『海と山ならどちらがいいか』だ。
山に行けば紅葉が見ごろだろうけれど、なんとなく今は広く開けた場所に行きたかった。なにも遮るものがない海と空を眺めたい。
「海です」
即答すると、彼は「わかった」とだけ言ってウィンカーを上げた。
意識してそっけなく答えると、彼は一瞬だけ私を横目で見てから小さくため息をついた。
「君は案外危なっかしいな」
「え?」
これまで二十五年間生きてきて、そんなふうに言われた記憶はない。大抵は『しっかりしている』という評価をもらってきたのだけど――。
「男の車に乗ってそんなふうに言えば、大抵の男が勘違いするぞ」
「勘違い……」
「ああ。この子はすでに自分に体を許す気でいる、とな」
「かっ……体⁉」
カーッとつま先から頭のてっぺんまで、血液が沸騰したかのように熱くなった。
「違います! 私そんなつもりじゃっ」
「海と山、どっちだ」
私の動揺などお構いなしに、彼は二者択一を投げてくる。私は上昇した鼓動を押さえるべく二、三度深呼吸をする。
彼がなにを聞いているのか今度はすぐにわかった。『海と山ならどちらがいいか』だ。
山に行けば紅葉が見ごろだろうけれど、なんとなく今は広く開けた場所に行きたかった。なにも遮るものがない海と空を眺めたい。
「海です」
即答すると、彼は「わかった」とだけ言ってウィンカーを上げた。