鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「命の現場にいると、患者を自分が救ったような気になるときもある。だがそれは違う。助かったのは患者自身の生命力によるもので、俺達医師は持っている技術を提供したに過ぎない。医師は万能な超人でも神でもない。ただのちっぽけな人間だと心に刻んで、努力を怠ってはいけない」
彼はそう言ったきりまた黙って海を眺めている。
救急医としてたくさんの人を救っている彼がちっぽけな人間だというなら、私はいったいなんなのだろう。誰かを救うどころか、彼をだましている。
潮風になびくストールを、胸の前でギュッと握りしめる。
正直に本当のことを打ち明けるべきかもしれない。
これからの二年間、彼や黛家の皆さんをだまし続けるなんて詐欺と同じだ。しかも彼が結婚したいと思える女性と出会うという他力本願な可能性に賭けるという不確定さだ。
もしそんな女性が現れなければ、私は二年後に彼の妻になるのだろうか。羽野の血筋を持たない私が……。
それはだめよ。
彼はそう言ったきりまた黙って海を眺めている。
救急医としてたくさんの人を救っている彼がちっぽけな人間だというなら、私はいったいなんなのだろう。誰かを救うどころか、彼をだましている。
潮風になびくストールを、胸の前でギュッと握りしめる。
正直に本当のことを打ち明けるべきかもしれない。
これからの二年間、彼や黛家の皆さんをだまし続けるなんて詐欺と同じだ。しかも彼が結婚したいと思える女性と出会うという他力本願な可能性に賭けるという不確定さだ。
もしそんな女性が現れなければ、私は二年後に彼の妻になるのだろうか。羽野の血筋を持たない私が……。
それはだめよ。