鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
 真実を打ち明ければ、さすがの彼も怒るだろう。けれど誠心誠意謝って、どうにか羽野医院を助けてもらうよう一生懸命お願いしよう。伯父は病院さえ守れれば、私の勝手を許してくれるはずだ。

 ただ、私が身代わりを辞めるからといって、瑠奈が結婚を承諾するとは限らない。結婚を無理強いはできない。

 でも一度でも彼と直接会えば、瑠奈も気持ちを変えるかもしれない。今は噂を信じて怖がっているだけで、本当の彼はとても優しく誠実な人だ。決して噂のような人でなしではない。彼だって、地味な私より瑠奈の方がいいに決まっている。

 黛さんと瑠奈が並んでいる姿を想像したら、胸がズキンと痛んだ。その理由に気づいてはだめだと、反射的にかぶりを振る。

「どうした。頭でも痛いのか?」

 顔を上げると、彼がうかがうようにじっと私を見つめている。一瞬心配してくれているのかと思ったが、きっと医師としての習性だと思い直す。彼が私を気にする理由がない。

「いえ、なんでもありません。大丈夫です」

 彼の視線から逃げるように顔を正面に戻した。ザザーッと音を立てながら、白い波が砂をさらって海へ戻っていく。

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