鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「失礼します」
「そんなの絶対嫌!」
ドアを開けると同時に、けたたましい声が耳をつんざいた。
何事かと思い見ると、ひとりの女性がマホガニー製の院長デスクを挟んで院長と向かい合っている。
背中の真ん中まであるミルクティーブラウンの髪。見るからにハイブランドだとわかる洋服。
後ろ姿でもわかる。彼女は羽野瑠奈。院長のひとり娘で、私にとってはひとつ上の従姉だ。
「相手は〝血も涙もない人でなし〟って噂の鉄仮面ドクターじゃん! そんなやつと結婚しろだなんて、パパは瑠奈が不幸になってもいいんだ!」
バンッ!と瑠奈が両手でデスクを叩く。伯父はデスクに大きなため息を落とした。
「瑠奈……おまえの嫁入りが黛会に入る条件なんだ。羽野医院が生き残るにはもうこれしかないんだ」
伯父がほとほと困ったというように言った。
伯父が言う『黛会』とは、この地域の医療連携の中核を担っている『黛総合病院』が中心となって作られた医療法人社団のことだ。どうやら伯父は、自分の病院ために娘の政略結婚を取りつけたらしい。
「そんなの絶対嫌!」
ドアを開けると同時に、けたたましい声が耳をつんざいた。
何事かと思い見ると、ひとりの女性がマホガニー製の院長デスクを挟んで院長と向かい合っている。
背中の真ん中まであるミルクティーブラウンの髪。見るからにハイブランドだとわかる洋服。
後ろ姿でもわかる。彼女は羽野瑠奈。院長のひとり娘で、私にとってはひとつ上の従姉だ。
「相手は〝血も涙もない人でなし〟って噂の鉄仮面ドクターじゃん! そんなやつと結婚しろだなんて、パパは瑠奈が不幸になってもいいんだ!」
バンッ!と瑠奈が両手でデスクを叩く。伯父はデスクに大きなため息を落とした。
「瑠奈……おまえの嫁入りが黛会に入る条件なんだ。羽野医院が生き残るにはもうこれしかないんだ」
伯父がほとほと困ったというように言った。
伯父が言う『黛会』とは、この地域の医療連携の中核を担っている『黛総合病院』が中心となって作られた医療法人社団のことだ。どうやら伯父は、自分の病院ために娘の政略結婚を取りつけたらしい。