鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「すっかり濡れねずみだな。早く車に戻ろう」
雨はいっときの激しさは過ぎたものの、まだ降りつづいている。
彼の車に戻り、いざ助手席のドアを開ける段になってハッとした。たっぷりと雨を含んだツイード生地がずっしりと重い。よく見たら、膝から裾にかけてはドロドロだ。土砂降りの中を全力疾走したり女性の隣にしゃがんだりしたのだ、汚れないわけがない。これでは革張りのシートに泥染みを作ってしまう。
「わ、私……電車で帰ります」
回れ右をしようとしたところで腕を掴まれた。
「ここに来て君をひとりで放り出すわけないだろう」
「でもこれじゃシートが」
軽くスカートをつまんでみせる。湿っているというようなかわいいものじゃない。絞ればかなりの水が出るだろう。
「それは俺も同じだ」
彼は「さあ乗った」と、半ば押し込むようにして私を助手席に乗せた。
シートにお尻が乗った瞬間、グシュッと水が染み出る感覚がした。
「ああ……」
こんなことならもっとペラペラの服を着てくればよかった。
せめて泥がつかないようハンカチ一枚でも敷ければよかったけれど、あいにくさっき女性の腕に結んだものしか持っていなかった。
雨はいっときの激しさは過ぎたものの、まだ降りつづいている。
彼の車に戻り、いざ助手席のドアを開ける段になってハッとした。たっぷりと雨を含んだツイード生地がずっしりと重い。よく見たら、膝から裾にかけてはドロドロだ。土砂降りの中を全力疾走したり女性の隣にしゃがんだりしたのだ、汚れないわけがない。これでは革張りのシートに泥染みを作ってしまう。
「わ、私……電車で帰ります」
回れ右をしようとしたところで腕を掴まれた。
「ここに来て君をひとりで放り出すわけないだろう」
「でもこれじゃシートが」
軽くスカートをつまんでみせる。湿っているというようなかわいいものじゃない。絞ればかなりの水が出るだろう。
「それは俺も同じだ」
彼は「さあ乗った」と、半ば押し込むようにして私を助手席に乗せた。
シートにお尻が乗った瞬間、グシュッと水が染み出る感覚がした。
「ああ……」
こんなことならもっとペラペラの服を着てくればよかった。
せめて泥がつかないようハンカチ一枚でも敷ければよかったけれど、あいにくさっき女性の腕に結んだものしか持っていなかった。