鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
予備くらい持っておくべきだったわ……。
自分の女子力の低さにうなだれていると、運転席のドアが開いて彼が乗り込んできた。
「寒いな。少し待ってろ、今暖房をつけるから」
「いえ、大丈夫で――クシュン!」
自分でもびっくりするほどの豪快なくしゃみが出て、顔がみるみる熱くなっていく。
彼が車のエンジンをかけると、エアコンの吹き出し口から温風が出てきた。温かさに思わず手をかざす。指先から溶けるようにしてじわじわと感覚が戻っていく。
さっきは必死すぎて気づかなかったけれど、雨に濡れた体はかなり冷えていたようだ。自覚したせいか、もう一度クシュンとくしゃみが出る。
なんだか気恥ずかしく思っていたら、彼はどこかに電話をかけ始めた。
「お世話になります、黛です」
お仕事のお電話かしら……。
聞き耳を立ててはいけないと思ってそっぽを向くが、狭い密室なので否が応でも声が耳に届く。
「今日の件ですが、折り入ってご相談が――。実は雨に降られてかなり濡れてしまいまして……ええ、そうです。え? ……お心遣い痛み入ります。ではよろしくお願いいたします」
黛さんが通話を終了した。
「待たせて悪かった。行こう」
え? どこへ……?
自分の女子力の低さにうなだれていると、運転席のドアが開いて彼が乗り込んできた。
「寒いな。少し待ってろ、今暖房をつけるから」
「いえ、大丈夫で――クシュン!」
自分でもびっくりするほどの豪快なくしゃみが出て、顔がみるみる熱くなっていく。
彼が車のエンジンをかけると、エアコンの吹き出し口から温風が出てきた。温かさに思わず手をかざす。指先から溶けるようにしてじわじわと感覚が戻っていく。
さっきは必死すぎて気づかなかったけれど、雨に濡れた体はかなり冷えていたようだ。自覚したせいか、もう一度クシュンとくしゃみが出る。
なんだか気恥ずかしく思っていたら、彼はどこかに電話をかけ始めた。
「お世話になります、黛です」
お仕事のお電話かしら……。
聞き耳を立ててはいけないと思ってそっぽを向くが、狭い密室なので否が応でも声が耳に届く。
「今日の件ですが、折り入ってご相談が――。実は雨に降られてかなり濡れてしまいまして……ええ、そうです。え? ……お心遣い痛み入ります。ではよろしくお願いいたします」
黛さんが通話を終了した。
「待たせて悪かった。行こう」
え? どこへ……?