鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
「実は昔、私はあなたに助けてもらったことがあるです」
「俺に?」
うなずいてから六年前の話をする。彼は最初、覚えていない様子だったけれど、私の話が進むにつれ思い出したようだ。
「そうか……君があのときの」
「はい。きちんとお礼を言えなかったのがずっと心残りでした。遅くなりましたが、あのときは本当にありがとうございました。処置が早く的確だったおかげで治りが早いと、主治医の先生がおっしゃっていました」
「そうか……大事にならなくてよかった」
彼の瞳が柔らかく光っていて、彼の言葉が建前でないと伝わってくる。
あのときのお礼、今度こそちゃんと言えてよかった。
「やっと笑顔が見られたな」
「え?」
反射的に頬を押さえる。いつの間にか微笑んでいたみたいだ。
「無表情が怖いと自分でもわかっているが、救急医として何事にも動じない冷静さを突きつめた結果だ。俺は完璧な人間じゃない。医師として多くの人を救う使命のためには、自分という個を捨てるのもいとわない」
「完璧な人間なんてどこにもいないと思います」
自分でも驚くほどスルリと言葉が出た。
「たとえ完璧でなかったとしても、黛さんはすばらしいお医者様です。たくさんの命を救いたいからこそ医師としての自分を優先する、それはあなたが命の重みを知っている優しい人だからだと思います。少なくとも私はそんな黛さんを尊敬します」
「俺に?」
うなずいてから六年前の話をする。彼は最初、覚えていない様子だったけれど、私の話が進むにつれ思い出したようだ。
「そうか……君があのときの」
「はい。きちんとお礼を言えなかったのがずっと心残りでした。遅くなりましたが、あのときは本当にありがとうございました。処置が早く的確だったおかげで治りが早いと、主治医の先生がおっしゃっていました」
「そうか……大事にならなくてよかった」
彼の瞳が柔らかく光っていて、彼の言葉が建前でないと伝わってくる。
あのときのお礼、今度こそちゃんと言えてよかった。
「やっと笑顔が見られたな」
「え?」
反射的に頬を押さえる。いつの間にか微笑んでいたみたいだ。
「無表情が怖いと自分でもわかっているが、救急医として何事にも動じない冷静さを突きつめた結果だ。俺は完璧な人間じゃない。医師として多くの人を救う使命のためには、自分という個を捨てるのもいとわない」
「完璧な人間なんてどこにもいないと思います」
自分でも驚くほどスルリと言葉が出た。
「たとえ完璧でなかったとしても、黛さんはすばらしいお医者様です。たくさんの命を救いたいからこそ医師としての自分を優先する、それはあなたが命の重みを知っている優しい人だからだと思います。少なくとも私はそんな黛さんを尊敬します」