鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
思いもよらない彼の言葉に、両目を見開く。彼が私の頬に手を添えた。
「前も見えない大雨の中、全力で走る君に惚れた。俺の妻になるのは君しかいないと確信したんだ」
彼が私をじっと見つめる。
「君は俺をどう思っている?」
「私は……黛さんを……」
言葉に詰まった。
今、気持ちを口にすれば彼と幸せになれるの?
でも私は〝本物〟じゃない。その事実が本心を告げるのをためらわせる。
「旺史郎」
「え?」
まぶたを三度しばたたいたところで、意味がわかってカッと頬が熱くなった。彼の虹彩がキラキラと光っている。今呼べと期待されているのだ。
彼が欲しい答えを返せないのなら、せめてそれくらいは――。
「お……旺史郎さ――んっ」
突然唇に柔らかなものが押しつけられる。
なに……が……?
両目を見開いて動きを止めら、彼の唇がわずかに離れる。
「嫌か?」
反射的に頭を振ったら、両手でギュッと抱きしめられた。
「よかった」
明らかにホッとした声が耳元でささやく。
『私もあなたが好きです』
そう言ってしまいそうになる口を、ギュッと真横に引き結ぶ。
私は偽物だけど、この気持ちは本物だ。
口に出せないすべての想いを込めて、彼の唇に自分のものを押しつけた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
※試し読みはここまでです。
本作は書籍化作業前の原作となります。
書籍版はこちらの試し読みとは異なるところもありますので、ご了承ください。
紗雪と旺史郎の行く末を、11月発売のマカロン文庫『【秘密の溺愛シリーズ】第2弾』でぜひお楽しみくださいませ!
「前も見えない大雨の中、全力で走る君に惚れた。俺の妻になるのは君しかいないと確信したんだ」
彼が私をじっと見つめる。
「君は俺をどう思っている?」
「私は……黛さんを……」
言葉に詰まった。
今、気持ちを口にすれば彼と幸せになれるの?
でも私は〝本物〟じゃない。その事実が本心を告げるのをためらわせる。
「旺史郎」
「え?」
まぶたを三度しばたたいたところで、意味がわかってカッと頬が熱くなった。彼の虹彩がキラキラと光っている。今呼べと期待されているのだ。
彼が欲しい答えを返せないのなら、せめてそれくらいは――。
「お……旺史郎さ――んっ」
突然唇に柔らかなものが押しつけられる。
なに……が……?
両目を見開いて動きを止めら、彼の唇がわずかに離れる。
「嫌か?」
反射的に頭を振ったら、両手でギュッと抱きしめられた。
「よかった」
明らかにホッとした声が耳元でささやく。
『私もあなたが好きです』
そう言ってしまいそうになる口を、ギュッと真横に引き結ぶ。
私は偽物だけど、この気持ちは本物だ。
口に出せないすべての想いを込めて、彼の唇に自分のものを押しつけた。
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※試し読みはここまでです。
本作は書籍化作業前の原作となります。
書籍版はこちらの試し読みとは異なるところもありますので、ご了承ください。
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