君と僕との最後の一週間
それから、幸福な日々が続いていたんだ。
買い物したり、誕生日を祝ったり。バレンタインはちょっと照れたな。
「ゆ~き。俺にチョコくれないの?」
後ろから抱き締めてくる海兎に、僕はいつもの事だと諦めていた。
「んもう…ちゃんとありますよ。はいどうぞ!」
照れ臭くて、つい乱暴に渡しちゃった。でも海兎は喜んでくれた。
「さんきゅ、マジ嬉しいよ。」
すっごい、嬉しそうに顔をとろけさせてた。あの時の海兎。
あの日までは、本当に幸せだった。
あんな事が起こるなんて、誰が予想できただろうか。
誰も予想できなかっただろう。
それは何時ものように、海兎と二人でデートして、手を繋いで帰っている日の事だった。
「もぅ、1年になるんですね。早いなぁ。」
「そうだな。今日は暖かい。陽射しが気持良い。」
「そうですね。でも僕は海兎とこうしてるだけで、幸せですよ?」
そして、本当に何時も通る道で、何時もとは違うことが起きた。
それは角を曲がったときだった。
キ、キキィィ――――ドン