君と僕との最後の一週間

「だからね、海兎…………



僕がいなくなっても………
どうか悲しまないで?


「ゆきる………っ!」

俺の方が泣いてしまった。雪流を抱き締め、ただ雪流の言葉が胸に染みて。
今まで渦巻いていた、悔しさや哀しみ憤り何も出来ない自分へのもどかしさとか、そんなのが癒されて行く感じだった。

「どうして、お前は欲しい言葉をくれるんだろうな。癒してくれるんだろう。」

「海兎……海兎も同じだよ?いつも僕に欲しい言葉をくれる。
それでどれだけ助けられただろうか。僕は………。」





「よしっ!分かった。雪流行こう?」

「えっ何処に?」


海兎は僕から離れてスッキリした顔で立ち上がった。

「想い出創りに行こう?」

そういって、海兎は準備し始めた。いったい何処に行こうと言うのか。僕には検討もつかなかった。
でも嬉しそうな海兎を見たら何処でも良いやって思っちゃった。
















そしてタクシーでついた場所は…………

「ここ?」

「そう。ここ。」

へらっと笑って海兎は車椅子を押して自動ドアを開けて入った。


そこは、ジュエリー店だった………


< 58 / 78 >

この作品をシェア

pagetop