君と僕との最後の一週間
「だからね、海兎…………
僕がいなくなっても………
どうか悲しまないで?
」
「ゆきる………っ!」
俺の方が泣いてしまった。雪流を抱き締め、ただ雪流の言葉が胸に染みて。
今まで渦巻いていた、悔しさや哀しみ憤り何も出来ない自分へのもどかしさとか、そんなのが癒されて行く感じだった。
「どうして、お前は欲しい言葉をくれるんだろうな。癒してくれるんだろう。」
「海兎……海兎も同じだよ?いつも僕に欲しい言葉をくれる。
それでどれだけ助けられただろうか。僕は………。」
「よしっ!分かった。雪流行こう?」
「えっ何処に?」
海兎は僕から離れてスッキリした顔で立ち上がった。
「想い出創りに行こう?」
そういって、海兎は準備し始めた。いったい何処に行こうと言うのか。僕には検討もつかなかった。
でも嬉しそうな海兎を見たら何処でも良いやって思っちゃった。
そしてタクシーでついた場所は…………
「ここ?」
「そう。ここ。」
へらっと笑って海兎は車椅子を押して自動ドアを開けて入った。
そこは、ジュエリー店だった………