君と僕との最後の一週間


「いらっしゃいませ~。」

お店にはいると、数組のカップルがいた。

「想い出創りってこれ?」

「そう、前から買おうとは思ってたんだ。けど機会がなくって。」
と照れたように海兎は頭をかいた。

「えっでも……ここ高そうですよ?」

見るからに高級店で僕は思わず声を潜めて海兎に言った。

「大丈夫さ。気にすんな。前から買おうと思ってたって言ったろ?任せとけ。」

そう言うとあるショーケースの前に迷うことなく向かった。

「何かお探しですか?」

すると店員さんが聞いてきた。

「あ~、これとこれなんですけど……」

海兎はおくする事なく店員さんに何やら説明をしている。










「ありがとうございました。」

2、30分すると、どうやら購入したらしい。海兎は小さな紙袋を受けとると車椅子を押してお店を後にした。

「どんなのを買ったんですか?えらく時間がかかっていたみたいですけど。」

「う~ん。後のお楽しみ♪」

そういって海兎は、タクシーを呼んだ。

しかも、家に向かうのではなく、これまた高級なレストランにやって来ていた。



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