君と僕との最後の一週間


高級なレストランに来て僕にはちょっと場違いな気がして、緊張していた。

「大丈夫だって、誰も俺達のこと気にしちゃいないさ。」

海兎がそういってくれて、周りをみると確かにテーブル同士が結構空いていて、皆各々の相手に夢中になっていて、全然僕達には気付いていなかった。

「それはいいとしても、僕こんなところで食事をした事ないから、よく分かんなくて。」

「大丈夫。マナーとかそんな厳しい訳じゃないし。いつも通りリラックスリラックス。」

「はい。」

そう言われて漸く緊張がとけて食事をしはじめた。

「あっ美味しい。凄く。」

「そうか?良かった。気に入ってもらえて。」

色々話ながらデザートを終え食器を下げてもらった時だった。

「雪流……左手出して?」

突然の申し出に僕は戸惑いながらも左手を海兎に向けて出した。

「えっ?…はい。どうぞ。」

すると、いつの間に持っていたのか、僕の薬指に指輪をはめた。

「愛してる。雪流…」

そういって指輪をはめた上から口付けをしてきた。

僕は顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。恥ずかしくて、でもそれ以上に嬉しくて。指輪をはめた手をギュッと握り締めた。

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